2025 年 33 巻 1 号 p. 49-52
生成AIの活用に関する期待とリスクを踏まえ,心理職部会によるシンポジウムを開催した.福祉分野で生成AIを活用する田中康雅先生は,業務効率化や合理的配慮を実現する事例を紹介し,倫理的課題やプライバシー保護の重要性に触れた.大庭さよ先生は,心理職の立場から職場復帰支援や合理的配慮における生成AIの有用性を強調し,具体的な課題と解決策を提示した.近藤雅子先生はEAP事業における生成AIの活用可能性を示し,24時間対応や人材確保への寄与に加え,不適切対応のリスクを指摘した.ディスカッションでは,生成AI活用におけるセキュリティ対策や倫理的問題が議論され,合理的配慮の実現に向けた可能性が共有された.生成AIは効率化や支援者負担の軽減に貢献すると期待されるが,ITリテラシー向上や課題解決が必要である.