産業精神保健
Online ISSN : 2758-1101
Print ISSN : 1340-2862
シンポジウム9
Equityの視点から考えるD&I
―公平性を問い直す―
佐藤 恵美 山本 和儀佐倉 健史大谷 英子渡辺 洋一郎
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キーワード: Equity, D&I, 特権, 平等
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2025 年 33 巻 1 号 p. 53-56

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抄録

個々のさまざまな属性や価値観,考え方などの違いを尊重し,これらの多様性を組織内で受け入れ活用する「D&I」の概念は,日本の企業においてさまざまな取り組みが推進されつつある.女性活躍推進を皮切りに多様な働き方が求められるようになり,さらに労働人口の減少等から高齢雇用者の活用,ユニバーサルデザイン理念の社会的浸透などによる障害者の雇用促進など,さまざまな形で取り組みが推進されてきている.さらに最近では,日本でも従来の「D&I」に「Equity」を加えて,「DEI」という概念が広がりをみせている.「Equity」とは,日本語で「公平性/公正性」と訳され,個々の違いに合わせてそれぞれ必要な調整や支援を行うことで公平を実現するという考え方である.当シンポジウムでは,「Equity」の概念を整理しつつ,「Equity」を阻む障壁を検討し,さらに,一企業における取り組み事例を紹介しながら,「Equityの視点からD&Iとは何か」を多角的に検討した.

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© 2025 一般社団法人 日本産業精神保健学会
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