口腔外科
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下顎智齒の「レントゲン」像に現はれたる半月状骨欽損の本態に關する研究
高田 尚文
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1937 年 1 巻 6 号 p. 21-40

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抄録

世に唱導せらるゝ處の下顎第三大臼歯の抜去の際、X線像に現はれたる半月状骨欽損に相等する部分の肉芽組織乃至嚢腫鍵様物質の完全除去を計るに非ざれば將來濾胞性歯牙嚢腫、瑳郷腫或は其他の嚢胞の形成原を後遺するに非すや、との問題を究明せむと欲し、余は東京歯科醫學專門學校口腔外科學教室外來患者より智歯周圍炎患者、十二例を撰びX線像と病理像を封比参照し、該歯牙周圍殊に遠心部に頻發する半月欽骨吸収の本態を研究せる結果
一、組織像上の所見と「レントゲン」像所見との間に、特殊なる關係なしと断じ得るが如し.
二、全症例病理組織像は歯槽膿漏病理組織像と撰ぶ所なし、智歯周園炎は歯槽膿漏なりとの設に左袒す。
前述の理由に由り余は智歯遠心部肉芽様塊の全摘出を行はざれば。濾胞性歯牙嚢腫或は瑳瑯腫の形成原を後遺する怖れありとの説の根擦は薄弱なるものなりと信す。との結論を得たり。

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