日本生理人類学会誌
Online ISSN : 2432-0986
Print ISSN : 1342-3215
性周期に関連した愁訴および性ステロイドホルモンの変動が精神作業に及ぼす影響とその個人差
堤 有子小崎 智照安河内 朗
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2004 年 9 巻 4 号 p. 131-142

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抄録

成人女性の多くは生理的変化や精神状態の変化を伴う性周期を有しており、近年この性周期に関連したタスクパフォーマンスの変動について注目されている。また今日、女性の社会での活躍は著しく、その職域も拡大していることから、女性の働く意欲と能力を存分に発揮できるような社会システムが要求されている。このような社会背景においても性周期に関連したタスクパフォーマンスの変動について明確にすることは重要なことのひとつと考えられる。性周期に関連したタスクパフォーマンスの変動についての先行研究は、特に身体的不快感や気分の変化といった愁訴の性周期変動もしくは性ステロイドホルモンの性周期変動に関連したタスクパフォーマンスの変動に注目した研究が行われている。性周期に伴う愁訴は月経随伴症状ともいい、一般的に月経前期に「憂鬱」や「いらいらする」などの精神症状や乳房痛などの乳房症状が出現する「月経前症状」と月経中に下腹痛や腰痛の出現する「月経時症状」がある。

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© 2004 日本生理人類学会
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