体育学研究
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50m疾走におけるパワーの研究
生田 香明渡部 和彦大築 立志
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1972 年 17 巻 2 号 p. 61-67

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抄録

50m短距離疾走で発揮される有効パワーと,自転車エルゴメーターを最大努力で短時間こがせた時の機械的パワーを測定して, パワー発揮能力の分析を行なった. 実験結果は次の通りである. (1) 短距離選手Aは疾走速度(10.47m/sec)も高く, 有効パワーの最大値(160.3kgm/sec)も一般人D(7.55m/sec, 76.5kgm/sec)より大きい値を示した. (2) ランニングの体重当り有効パワーの最大値と50m疾走タイムの間には, 高い相関(男子: r=-0.77, n=22, P<0.00l, 女子: r=-0.93, n=9, P<0.001)が認められた. (3) ランニングの体重当り有効パワーの最大値と自転車エルゴメーターの体重当りの最大パワーの間には, 高い相関(男子: r=0.76, n=22, P<0.001, 女子: r=0.79, n=9, P<0.02)が認められた. (4) 自転車エルゴメーターの体重当りの最大パワーと50m疾走タイムの間にも高い相関(男子: r=-0.72, n=22, P<0.001, 女子: r=-0.88, n=9, P<0.01)が認められ, 短距離疾走でよい成績をあげている者はより高いパワー発揮能力を持っていることがわかった.

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© 1972 一般社団法人 日本体育学会
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