体育学研究
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「スピードの持久性」に関する実験的研究
金子 公宥北村 潔和
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1972 年 17 巻 2 号 p. 69-74

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抄録

肘関節屈筋群を対象に, 最大反復スピードの持続性を検討した. 5名の被検者に40回/分のテンポで最大筋力(Fo)の20〜60%にわたる5種の規定負荷で最大反復収縮を行なわせた結果, 1) スピードの逓減率 (△V/1回収縮)は6.1×10^<-3>〜36.6×10^<-3>m/secの範囲で, 負荷が大きいほど増大すること. 2) 任意の収縮回数内でなされるパワー総量を算出した結果, 反復回数が14回以下の場合は40%Fo, 15〜43回の場合では30%Fo, 43回以上では20%Foの負荷が, それぞれ最も作業能率の良い負荷であること. 3) スピードの逓減にともなう筋の特性変化としては, 反復回数の増加にともない, 力-速度関係が双曲線型から直線型に移行することを知った. またHillの特性式の力学的常数から筋の質的変化を論じた.

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© 1972 一般社団法人 日本体育学会
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