体育学研究
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スポーツ選手に対する心理的競技能力の評価尺度の開発とシステム化
徳永 幹雄
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2001 年 46 巻 1 号 p. 1-17

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抄録

スポーツ選手の心理的競技能力を診断する方法を開発する目的から,1983年以来,種々のスポーツ選手を対象に調査を行った.約15年間に5,334名のスポーツ選手に調査した.その後,スポーツ選手の諸特性との関係を統計的に分析するために,心理的競技能力の因子,下位尺度及び総合得点を算出し,妥当性や信頼性を検証した.その主な結果は,つぎのとおりである.1.スポーツ選手の心理的「特性」としての心理的競技能力を診断する方法として52(嘘尺度4項目を含む)の質問項目から構成され,12尺度及び5因子に分類される調査法である「心理的競技能力診断検査(DIPCA2)」を開発した.2.スポーツ選手の心理的「状態」として心理的競技能力を診断する方法として次の2つの方法を開発した.1)スポーツ選手の試合前の心理状態を診断する方法として20(嘘尺度2項目を含む)の質問項目で構成され,9尺度及び5因子に分類される調査法である「試合前の心理状態診断検査(DIPS-B.1)」を開発した.2)スポーツ選手の試合中の心理状態を診断する方法として10の質問項目から構成される調査法である「試合中の心理状態診断法(DIPS-D.2)」を開発した.3.スポーツ選手の心理面の指導のために3つの診断検査のシステム化を試みた.

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© 2001 一般社団法人 日本体育学会
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