日本小児血液学会雑誌
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HLA一致同胞間臍帯血幹細胞移植を施行した進行性神経芽腫の1例
造血細胞の回復と臨床経過について
大沼 圭豊田 恭徳西平 浩一石井 雅巳加藤 啓輔石田 裕二康 勝好本多 康次郎氣賀澤 寿人井口 晶裕長尾 大
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1997 年 11 巻 2 号 p. 125-131

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抄録

進行性神経芽腫の患者に臍帯血幹細胞移植 (CBSCT) を施行した.患者は1歳6カ月の女児で, NewA1プロトコールによる化学療法にて部分寛解を得た.しかし, 腹部原発巣およびリンパ節廓清手術後, 3週間経過したところで全身性再発をきたした.Carboplatin, etoposide, melphalanおよび腹部放射線照射を前処置として, HLA一致同胞間CBSCTを施行した.輸注細胞数は有核細胞数として2.0×107/kg, granulocyte-macrophage colony-forming unitとして3.8×104/kg.急性移植片対宿主病 (GVHD) 予防としてday3と6にmethotrexateを投与した.好中球数500/μl以上はday24, 血小板数5万/μl以上はday67で, 濃厚血小板最終輸注はday 60であった.Grade Iの急性GVHDが見られたがprednisoloneにて軽快, day46に中止, 以降GVHD症状は見られなかった.Day43, 左脛骨・右膝蓋骨の局所再発を認め, 放射線照射を行った.しかし, day 120に全身再発をきたし, day 170, 腫瘍死した.骨髄造血細胞はドナータイプを保っていた.本症例の他, 本邦のこれまでのCBSCTの経験から, われわれ神奈川県下の臍帯血バンク (神奈川臍帯血バンク) において非血縁者間CBSCT施行の準備中である.

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