日本小児血液学会雑誌
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12歳で発症した若年性悪性貧血II型の1例
栗山 貴久子内藤 岳史橋田 哲夫大塚 拓治日比 成美今宿 晋作澤田 淳
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1998 年 12 巻 5 号 p. 359-363

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抄録

12歳で悪性貧血 (PA) を発症した男児例を報告した.患児は全身倦怠, 顔色不良を主訴に入院した.入院時, RBC 1.21×106/μl, Hb 4.7 g/dl, MCV 113.9 fl, MCH 39.2 pgと大球性高色素性貧血と好中球減少がみられた.血清のvitamin B12は低下し (190 pg/ml), 抗内因子抗体, 抗胃壁細胞抗体が陽性であった.骨髄検査では, 赤芽球の異形性と巨赤芽球性変化, 巨大後骨髄球, 好中球過分葉を認めた.胃内視鏡検査にて萎縮性胃炎が確認された.Schilling試験は57Co標識内因子, 58Coとも血中濃度が1.43%, 0.41%と著しく低値で, McIntyre II型PAと診断した. Vitamin B12の補充療法を開始したところ速やかに全身症状, 血液所見は改善したが, 萎縮性胃炎には高率に胃癌を合併する可能性があり, 定期的な内視鏡的検索が必要と思われた.

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