1999 年 13 巻 6 号 p. 428-434
末梢血幹細胞 (PBSC) 採取の際, アフェレーシス回数はもとより処理血液量もなるべく減らすことが望まれる.われわれは末梢血CD34+細胞数 (pbCD34+) をモニタリングし, PBSC採取方法の最適化を試みた.対象は13例で計21コースの動員を行い, 原則としてpbCD34+が10/μl以上となった日からアフェレーシスを開始した.処理血液量はpbCD34+によって100~300ml/kgの間で設定した.pbCD34+が十分に動員されずにアフェレーシスを中止した2コースを除いた他の19コースを直前のpbCD34+によって3群に分けて (A群 : pbCD34+>60/μl, B群 : 10~60, C群 : <10) 検討した.各群の平均採取CD34+細胞数 (処理血液量) は, A : 7.61×106/kg (148ml/kg), B : 3.52 (340), C : 2.61 (517) で, 19コース中16コースで2.0×106/kg以上のCD34+細胞が採取できた.今回の方法は小児におけるPBSC採取方法として有用であった.