日本小児血液学会雑誌
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小児期造血幹細胞移植全国集計 (1998)
気賀沢 寿人加藤 俊一秋山 祐一今泉 益栄大平 睦朗河 敬世花田 良二松山 孝治生田 孝一郎西平 浩一矢部 普正土田 昌宏岡村 純麦島 秀雄星 順隆長尾 大
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2000 年 14 巻 5 号 p. 317-327

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抄録

日本小児血液学会造血幹細胞移植委員会 (旧骨髄移植委員会) は, 1983年から毎年, わが国の小児における造血幹細胞移植の全国集計を行っており, その結果を1997年まで論文として発表してきた.1998年からは, 成人領域のデータベースとドッキングするために小児科領域のデータを汎用ソフトに変換し, 1991年以後の結果については日本造血細胞移植学会のJSHCT monograph vol. 2に一部発表した.しかし小児特有の疾患のデータが不十分なため, 今回, 追加解析した.なお, 小児科領域の解析は1990年1月1日から1998年12月31日までに移植された症例を無病生存率で示した.重症型再生不良性貧血の無病生存率は, HLA適合同胞85.3±7.1%, HLA適合非血縁72.0±13.1%であった.第1寛解での急性骨髄性白血病の移植別無病生存率は, HLA適合同胞70.5±7.2%, 自家骨髄移植72.5±10.3%, 自家末梢血幹細胞移植53.4±11.7%で, HLA適合同胞と自家末梢血幹細胞移植の間 (p<0.01), 自家骨髄移植と自家末梢血幹細胞移植の間 (p<0.05) に有意差を認めた.第1寛解での急性リンパ性白血病の移植別無病生存率はHLA適合同胞65.1±11.1%, 自家骨髄移植52.4±22.8%, 自家末梢血幹細胞移植65.9±8.8%で, 3者間に有意差を認めなかった.骨髄バンクドナーからの移植は594例, 臍帯血移植は86例, 同種末梢血幹細胞移植は79例登録されていた.

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