日本小児血液学会雑誌
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免疫寛容導入にインヒビター発生時と異なる種類の第VIII因子製剤を用いてインヒビター低下, 消失をみた2症例
塚田 昌大小川 千登世金澤 崇外松 学森川 昭廣
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2001 年 15 巻 6 号 p. 479-482

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抄録

インヒビター発生時に使用していた製剤と由来の異なる製剤に変更後に免疫寛容導入を認めた2例のインヒビター保有重症血友病Aを経験した.症例1は, 重症血友病Aと診断確定し, 組換え型第VIII因子製剤 (r-FVIII) の定期予防投与を開始後, インヒビター出現を認めた.インヒビターに対して血漿由来第VIII因子製剤 (pd-FVIII) を用いた免疫寛容療法を施行し, インヒビターの減少を認めた.一方, 症例2では診断確定後pd-FVIIIによる予防投与施行中にインヒビター出現を認め, pd-FVIII投与を中止した.インヒビター力価低下後に, r-FVIIIに変更し, 投与再開後インヒビター消失を認めた.2例ともに, インヒビター発生時に使用していた製剤と異なる製剤を使用しても免疫寛容導入は可能であった.

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