日本小児血液学会雑誌
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急性リンパ性白血病の維持療法中に合併したサイトメガロウイルス網膜炎の1例
浦上 知子西内 律雄小田 慈竹本 周代冨山 佳江萬木 章清野 佳紀
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2002 年 16 巻 5 号 p. 312-316

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抄録

急性リンパ性白血病の完全寛解後の維持療法中にサイトメガロウイルス (CMV) 網膜炎を発症した7歳女児例を経験した.主訴は左眼の霧視で, 特徴的な眼底所見とCMV抗原血症を認め, 前眼房水からのPCR法によるCMVのDNA検出によって確定診断した.治療はganciclovirの全身投与を行い白血病の維持療法を中止したところ, 眼病変は鎮静化し, 治療中止後も現在まで再燃を認めていない.発症時, リンパ球数とCD4陽性リンパ球数の減少を認め, 発症前の約1年間にわたる維持療法中にリンパ球数の低下が持続していたことから, CMV網膜炎の発病に細胞性免疫能の低下が関与していることが考えられた.急性リンパ性白血病の維持療法中は免疫抑制が強度でないことが多いが, 細胞性免疫能の把握がCMV網膜炎の発症予測とその早期対応にとって重要であると考えられた.

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