日本小児血液学会雑誌
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リンパ球幼弱化試験のコントロール値が活動性の指標となったJMMLの3例
栗山 貴久子森本 哲生嶋 聡吉原 隆夫綱本 健太郎納谷 真由美日比 成美東道 伸二郎今宿 晋作
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2003 年 17 巻 2 号 p. 73-77

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抄録
若年性骨髄単球性白血病 (juvenile myelomonocytic leukemia : JMML) は, 小児期発症の骨髄増殖性疾患のまれな疾患の一つである.発症年齢2歳以上, 血小板数低値, HbFの高値, 染色体異常を有することがJMMLの発症時の予後不良因子として知られている.しかし, 今までのところJMMLの活動性を反映する検査データの報告はない.一方, 一般にリンパ球幼弱化試験ではConAやPHA刺激に対するリンパ球の反応をみることに主眼が置かれ, コントロール値に注意が払われることは少ないが, 非刺激下のコントロール値 (SBF) が異常高値を示す病態が存在する.われわれはJMMLの3症例でSBF値が診断時著明に高値で, その後の動きが臨床上とよく相関することを見出した.今後, 十分な症例の蓄積が必要であるとは思われるが, SBF値はJMMLの治療に対する反応性の指標となる可能性が示唆された.
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