日本小児血液学会雑誌
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Helicobacter pylbri胃炎によると考えられる鉄欠乏性貧血
今野 武津子高橋 美智子佐藤 孝平
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2003 年 17 巻 5 号 p. 352-357

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抄録

最近の研究ではHelicobacter pylori (H. pylori) と鉄欠乏性貧血 (IDA) との関連が示唆されている.この研究は消化管出血の確認されない, H. pylori胃炎を伴った思春期のIDAの15症例の報告である.IDAl5症例は男児9例, 女児6例で, 平均年齢14.1歳 (13~16歳).10症例は6カ月から4年間の病悩期間をもち, 鉄剤投与を受けており, 鉄剤治療を中止すると貧血が再発した.6症例に99mTcによるメッケル憩室シンチグラムと全大腸内視鏡検査が, 全例に上部消化管内視鏡検査が行われた.内視鏡的生検によってH. pyloriが陽性であることを確認した後, 除菌療法が施行された.除菌が成功した14症例では貧血および鉄欠乏状態が改善され, その後もIDAは再燃していない.除菌に失敗した1症例ではIDAが再燃したが, 二次除菌療法の成功によって完治した.H. pylori感染は原因不明の思春期IDAに関与しており, 除菌により貧血が完治する可能性が示唆された.

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