日本小児血液学会雑誌
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移植後早期にムコールによる冠動脈塞栓により死亡した骨髄異形成症候群の剖検例
西村 良成前馬 秀昭上原 貴博犀川 太小泉 晶一
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2003 年 17 巻 5 号 p. 394-398

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抄録

骨髄異形成症候群の17歳の男性に非血縁者間同種骨髄移植を施行した.移植後24日目に突然の心肺停止状態となり死亡した.剖検所見において肺にムコール菌による出血性壊死を認め, また心筋ならびに大血管に多数の侵襲像が認められた.直接死因は, ムコール菌塊による冠動脈塞栓と考えられた.深在性真菌症の診断の進歩にもかかわらず, ムコール症の生前診断は困難といわれ, 本症例も剖検により確定診断が得られた.原疾患に加え, 長期のステロイド内服, 頻回輸血による鉄過剰状態, 鉄除去に用いたdeferoxamineなどがムコール症発症の誘因となった可能性がある.またムコールは, 血栓・塞栓を形成しやすく, そのために多彩な臨床症状を呈し, 状態が急変する場合があることを認識する必要がある.

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