日本小児血液学会雑誌
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脛骨骨折後の骨膜下血腫により観血的整復術を要した軽症血友病Aの1例
大井 千愛瀧 正志小林 美和子
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2003 年 17 巻 5 号 p. 402-405

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抄録

脛骨骨折後に適切な止血管理が行われなかったために骨膜下血腫を形成し, 観血的整復術を要した軽症血友病Aの1例を報告する.症例は6歳男児で, 他院にて右脛骨骨折と診断され, 受傷当日デスモプレシン (DDAVP) を2回投与され, ギプスシーネ固定を受けた.受傷3週後に骨折部の転位を認めたが, 局所冷却のみで経過観察され退院した.その後も骨折部位の落痛が持続するため当院を受診し, 外傷後の骨折の転位, 骨膜下血腫と診断した.保存治療による骨癒合は困難と考え, 第VIII因子製剤の持続投与にて止血管理を行いながら血腫除去術および観血的整復術を施行した.術後の経過は良好で, 合併症をきたすことなく治癒した.軽症の血友病患者において, 骨折時に明らかな血腫形成を認めない場合でも, その後骨膜下血腫形成をきたし, 骨癒合が遷延したり偽腫瘍を形成する危険性があるので, 適切な止血管理を行う必要があると考えられた.

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