小児造血器腫瘍は, その中身を世界が共有できるためのエビデンスを提供する質の高い治療研究を行う時代に入ってきた.そのうち乳児急性リンパ性白血病 (ALL) に関しては, 1996年にスタートしたMLL96/MLL98studyでMLL再構成陽性乳児ALLの無イベント生存率は改善しつつある.しかし, 各症例の治療内容のフォローもデータの集積も不完全であった.そこで新しい治療研究 (MLL03 study) では, 治療のendpointを明確にした統一プロトコールを作成し, 各症例でのプロトコール遂行を厳密に監視するシステム作りを行った.またその目的のために日本小児白血病・悪性リンパ腫研究会が組織され, 小児血液学会との連携で乳児ALLにおける質の高い治療研究を行うことが可能と考えられる.