日本小児血液学会雑誌
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Gilbert症候群と血液疾患
丸尾 良浩太田 茂
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2004 年 18 巻 6 号 p. 601-608

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抄録

Gilbert症候群は軽症の遺伝性非抱合型高ビリルビン血症で, ビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素遺伝子 (UGT1A1) の変異により生じる.まれな重症, 中等症のCrigler-Najjar症候群1型, II型と異なり, Gilbert症候群は人口の3~7%に存在するため, さまざまな血液疾患の3~7%にGilbert症候群の合併がみられる.日本人にはGilbert症候群を起こす2つのUGT1A1の遺伝子多型が存在する.エクソン1のG71Rとプロモーター領域にあるTATA boxのA (TA) 7TAAで, おのおのの遺伝子頻度は0.16と0.15である.そのため, Gilbert症候群であるG71RまたはA (TA) 7TAAのホモ接合体や複合ヘテロ接合体のみでなく, おのおのの変異のヘテロ接合体も血液疾患の病像への関与がみられている.近年, 遺伝性球状赤血球症にGilbert症候群が合併すると胆石の発症リスクが上昇したり, 白血病の化学療法時にUGT1A1の変異をもつ患者には間接型高ビリルビン血症が誘発されることが明らかにされてきている.本総説では, Gilbert症候群と血液疾患の関わりをビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素全般をふまえて概説する.

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