日本小児血液学会雑誌
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骨髄非破壊性前処置を用いて臍帯血移植を施行した頻回再発非ポジキンリンパ腫の1例
竹田 洋樹山本 益嗣大塚 欣敏大槻 史子森田 直子浅野 由美金田 由美谷澤 隆邦
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2004 年 18 巻 6 号 p. 609-613

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抄録

頻回再発した非ポジキンリンパ腫 (NHL) に対して骨髄非破壊性前処置を用いて臍帯血移植を施行した1例を報告する.症例は12歳男児.11歳時にT細胞性非ポジキンリンパ腫を発症, JACLS NHL-98プロトコールにていったん寛解を得た.しかし, 維持療法中に中枢神経再発したため再入院し, 化学療法・放射線療法を施行するも計3回の再発を認めた.造血幹細胞移植による治療を計画したが, HLA一致同胞が存在せず, 緊急性があったために移植ソースに同種臍帯血を選択した.また, 度重なる治療による臓器毒性を考慮し, 移植前処置は骨髄非破壊性前処置とした.移植後明らかな臓器毒性, 重症感染やGVHD症状を認めず, 現在寛解を維持している.骨髄非破壊性前処置を用いた造血幹細胞移植のソースとして同種末梢血幹細胞や同種骨髄幹細胞を選択されることが多いが, 同種臍帯血も十分使用可能と考えられた.

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