中枢神経白血病の経過中に頭部CTにて慢性硬膜下血腫を認めた乳児2例を経験した.このうち1例は, 骨髄再発をきたし, 発病後6ヵ月目に重症感染症のために死亡した.他の1例は, 完全寛解が得られ, 1歳時に24Gyの頭蓋放射線照射を行ったところ, 照射後3ヵ月より難治性の痙攣発作が出現した.CTでは, びまん性脳内石灰化および慢性硬膜下血腫が認められた.後者において, 照射後早期に中枢神経障害をきたした要因として, この症例が乳児期に発症し, しかも中枢神経浸潤を伴ったこと, 照射時年齢が1歳と低年齢であったこと, さらに, 慢性硬膜下血腫の存在もなんらかの影響を与えたことが考えられた.