日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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赤血球造血刺激後の細胞内cyclic nucleotides量の変化
In vivoおよびin vitroにおける検討
土岐 力綛谷 裕之荒井 宏治横山 〓
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1989 年 3 巻 4 号 p. 345-350

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抄録

ウィスター系雌ラットにアセチルフェニールヒドラジン (APH) を腹腔内投与し, 脾と骨髄におけるcAMPとcGMP量を測定した.その結果脾のcAMP量はAPH投与後徐々に増加し6日目に最高値をとった.骨髄のcAMP量はAPH投与後3日目に最大であった.脾におけるcGMP量は著しく増加し, APH投与後5日目に最大であった.次に, 骨髄細胞浮遊液にerythropoietinを添加し, その後のcAMP量を測定した.その結果, フォスフォジエステラーゼの阻害剤であるthecphyllineを10-6Mで培地に加えたときのみcAMP量の増加がみられた.その際, cAMPの上昇はerythropoietin添加後すみやかにみられた.本報告においては, 以上のような実験結果に基づき, 赤.血球造血初期における細胞内cAMP量の増加について検索した.

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