日本小児血液学会雑誌
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11q23異常を伴う小児白血病4例の遺伝子解析
西村 真一郎小林 正夫田中 義人上田 一博大崎 秀
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キーワード: 11q23異常, 遺伝子型
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1990 年 4 巻 4 号 p. 323-328

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抄録

11番染色体q23に切断点を有する小児白血病4例で免疫グロブリン遺伝子, T細胞受容体遺伝子を用いその遺伝子型を検討した.組織学的および表面マーカーによる検索では, t (4;11) (q21;q23) の3例がB cell lineage ALL, t (9;11) (P22;q23) の1例がAMoLと考えられた.Southern blot法による解析では, t (4;11) の3例中2例で免疫グロブリン遺伝子H鎖Joining領域 (JH) のみの再構成を, 他の1例でJHとT細胞受容遺伝子γ鎖 (TCRγ) の再構成を認めたが, t (9;11) の1例はすべて胎児型を示した.今回検討した11q23に異常を伴う白血病4例では遺伝子型は表現型および染色体核型に一致しており, このことは11q23に切断点を持つ白血病細胞の性格決定には染色体核型が重要な役割を担っていることを示唆する所見と考えられた.

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