2026 年 10 巻 論文ID: e10004
薬学生が薬剤師として大学教育の成果を生かした活動をするには薬剤師国家試験合格は必須であるが,その合格率は大学間で差が大きい.入学時の学力や大学での教育成果その他の要因が影響していると考えられる.薬剤師国家試験合格率と入学時試験学力の関連を解析し,薬剤師国家試験成績に対する大学教育の効果を定量する簡便な指標の算出を試みた.薬剤師国家試験合格率は入学時試験学力と強い相関を示した.入学時試験学力から予測される合格率と実際の合格率の差を大学在学期間の成長度の指標(大学教育効果,REPP)として算出し,その性質を解析したところ,REPPは入学時試験学力とは相関がなく,薬剤師国家試験成績や進級率と緩やかな相関を示した.また,薬剤師国家試験合格率予測精度を高める作用を示した.REPPは入学時試験学力とは弁別的な薬剤師国家試験成績の指標であり,薬系大学における教育の効果を測る指標として有用と考えられる.