2026 年 10 巻 論文ID: e10006
薬剤師の役割は多様化し,チーム医療や患者ケアへの積極的関与が求められている.将来的なワクチン接種業務への貢献を見据え,本研究では薬学部における筋肉注射実習の教育効果と,学んだ内容の実務実習への活用について,2021~2023年度の「実務実習事前学習(筋肉注射)」受講者364名および実務実習後アンケート回答者346名を対象に検証した.筋肉注射実習後,筋肉注射の知識,技術,実践に対する自信のいずれも有意に改善し,学部での筋肉注射実習の教育が効果的であることが示唆された.一方で,筋肉注射実習で学んだことを臨床での実務実習に活用できた学生は少数であった.しかしながら,注射手技の見学時の理解促進,注射製剤の違いへの理解深化,患者や医療者とのコミュニケーションに役立ったとの意見が得られた.そのため,今後はケーススタディや事前目標設定の導入を通じ,学部教育と実務実習を繋ぐ学びの連続性を高める教育的工夫が求められる.