2019 年 3 巻 論文ID: 2019-013
千葉大学では薬学部,医学部,看護学部の医療系3学部で,2007年度からInterprofessional Education(IPE)を実施してきた.各学部で必修科目とし1~4年次まで毎年履修する臨床前教育であった.しかし,医療現場での専門職連携に繋げるため,臨床で実践可能なプログラムを必要としていた.そこで,薬学部と医学部の5年生,看護学部の4年生の臨床実習の一部にIPEを導入した.
同じ時期に同じ診療科・病棟で実習を行っている各学部の学生がチームを形成して同じ患者を担当する.彼らだけで患者と面談したり,アセスメントをし,多職種の助言を受けながら診療・ケアを計画する.学生は通常の臨床実習では,それぞれの専門職からのみ指導を受けるが,クリニカルIPEでは学部・職種の枠を超えて指導が行われる.薬剤師の医療現場での関わりを実際に経験した薬学部生は,チームへの貢献力を増し,専門職連携の意義や課題について現実味をもって捉えられるようになった.