2020 年 4 巻 論文ID: 2020-019
病棟専任薬剤師として業務を行う上で様々な問合せをうけるが,単に『返答する』だけでなく,症例に対し『ディスカッションできる』薬剤師が求められている事を昨今強く感じている.しかし,そのためには薬に関する知識に加え,病態に関する知識や症例自体を多角的に評価する能力も求められるため,多くの知識と経験が必要不可欠である.当院では実際の症例を通して得た知識の共有と多角的評価の気づきを目的とし,若手薬剤師を中心に症例検討会を実施し,様々な切り口で議論を交わしている.当院の薬学実務実習生には,実際に症例検討会を見学・体験してもらい,病態評価の訓練としてもらっている.今回,実際に筆者が本症例検討会で取り上げた症例を提示し,多角的な病態評価の重要性について,またその為に必要な大学における教育体制について考えていきたい.