改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムの適用下で実施される早期臨床体験は，臨床現場への参加・体験型での実施が重要視されている．しかし，改訂コアカリ適用後の早期臨床体験に関する報告は少なく，臨床現場での見聞・体験内容の検証はごく限られている．本研究では，病院での早期臨床体験における見聞・体験内容を調査した．また，学生に対する施設訪問前後でのアンケートを用いて因子分析，クラスター分析による群分けを行い，各群での訪問施設での見聞・体験が学習成果に与える影響を検証した．その結果，学生が持つ事前の病院薬剤師に対するイメージや業務内容の理解によらず，訪問施設での見聞・体験数が多いほど，施設で受けた印象がよく，具体的な業務への認識が明確化されることが明らかとなった．その一方で，見聞・体験の機会が少ない施設に関して，施設見学の効果は限定的であることが示唆された．
