薬学教育
Online ISSN : 2433-4774
Print ISSN : 2432-4124
ISSN-L : 2433-4774
原著
薬局薬剤師を対象とした“研究倫理教育”に関する意識調査
―学習の動機づけに繋がる教育プログラム構築に向けて
有田 悦子小倉 未来竹平 理恵子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2021 年 5 巻 論文ID: 2020-070

詳細
抄録

適正な臨床研究を実施するためには研究対象者への倫理的配慮が重要であり,現任薬剤師への研究倫理教育は喫緊の課題である.本研究は,薬局薬剤師の臨床研究や研究倫理教育に関する意識を把握し,学習の動機づけに繋げることを目的としWebアンケートを実施した.主な調査項目は,関連用語の認知度,教育機会の有無や希望,臨床研究や学習の動機などである.結果から,現任の薬局薬剤師にとって臨床研究は身近なものではなく,これまで研究倫理教育を受ける機会も乏しかった現況が明らかになった.今後の研究倫理教育へのニーズはあるものの希望する学習方法は受動的なものが多く,「新しい知識学習」に比して「正解がない課題挑戦」への意欲が低い傾向も示唆された.研究倫理を学ぶ動機づけ向上のためには,臨床課題を研究として一般化する意義を認識し,研究倫理を学ぶことが患者保護にもつながることを実感できるような教育プログラムの提供が重要である.

著者関連情報
© 2021 日本薬学教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top