2022 年 6 巻 論文ID: 2021-042
帝京大学薬学部の1年次科目「ヒューマンコミュニケーション」において,薬学生のコミュニケーション能力を醸成するために「気づきの体験学習」プログラムを導入した.受講後に実施した受講生によるコミュニケーションに関する自己評価について因子分析を行なった結果,「相手への関心」「社交性」「伝達」の3つの因子が抽出された.クラスター分析により学生を3つのクラスターに分け,自己評価や振り返りシートの記述を分析したところ,クラスター1では,相手を思いやることの大切さに気づき将来に活かそうとしていること,クラスター2ではコミュニケーションの難しさと聴く態度の重要性に気づいたこと,クラスター3では授業を受けることで他者と関わり合うことの大切さに気づいた学生がそれぞれ多いことが示唆された.本研究を通して,多くの学生が本授業を受講することにより相手に関心を持って話を聴くことの大切さに気づいたことが示された.