2024 年 13 巻 2 号 p. 66-74
目的:日本の家族介護者のセルフケアに関する国内文献を整理し,家族介護者のセルフケアの内容と関連要因,予測される成果を明らかにする.
方法:医中誌Webを用いて2023年9月までに登録されている文献から17件を選定し,分析した.
結果:セルフケアの内容は【健康に暮らしていく土台づくり】【抱え込まない介護】【暮らしの質の充実】の3カテゴリー,関連要因は【心身の不調や病気】【介護負担の重さ】【ソーシャルサポートの有無】の3カテゴリー,予測される成果は【健康とメンタルヘルスの向上】【在宅療養・介護の継続】【主観的幸福感の向上】の3カテゴリーが抽出された.
考察:家族介護者のセルフケアの実践は家族介護者自身の身体的・精神的健康の維持や在宅介護の継続につながるだけでなく,家族介護者が身近にある幸せを感じられることにつながることが考えられる.看護職は家族介護者の心身の不調や病気の程度,介護負担の重さ,ソーシャルサポートの有無の状況を多角的にアセスメントし支援することが重要である.