2016 年 5 巻 2 号 p. 116-125
目的:住民ボランティア運営型地域サロンの女性高齢参加者における口腔の健康に関する認識の実態を把握し,口腔の健康への認識が外出頻度にどのように影響するのかを明らかにすること.
方法:住民ボランティア運営型地域サロンの女性高齢参加者を対象に質問紙による面接調査を実施した.調査項目は,基本属性,活動能力や口腔の健康状況,外出に関する行動などである.分析は218人を対象とし,口腔の健康への認識と外出頻度の関連について共分散構造分析を実施した.
結果:共分散構造分析を行った結果,「口腔の健康への認識」は,「活動能力」や「外出に対する自己効力感」および「残存歯数」の要因を介して有意に「外出頻度」に影響していた.
結論:口腔の健康への認識が高いことで口腔の健康が保持され,食べる喜び,話す楽しみを得ることができ,また,活動能力が維持されることで社会と関わる機会となる外出への自己効力感を高める要因になると考えられた.