日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
原著
東京都におけるOidiumReticuloidium亜属菌によるキュウリうどんこ病の発生実態
星 秀男佐藤 幸生堀江 博道
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 75 巻 1 号 p. 21-28

詳細
抄録
2005,2006年に,東京都多摩地域の半促成および露地栽培において,OidiumReticuloidium亜属菌(OR菌)によるキュウリうどんこ病の発生状況を調査した結果,5市2町11圃場の6品種で発生が確認され,本菌が広範に分布することが明らかとなった.本菌の発生は,多くは5月上旬~6月中旬で,その後は従来のOidiumFibroidium亜属菌(OF菌)が優占したが,それぞれは単独で発生し,両種が混発することは少なかった.圃場(品種:南極2号,京涼み)におけるOR菌の発病状況は,発病葉率21.8~39.0%,発病度5.8~12.8に達した.OR菌の形態的特徴はいずれも既知の日本産OidiumReticuloidium亜属菌と一致したが,分生子柄のfoot-cellの大きさは菌株によりやや異なった.品種によるOR菌に対する感受性の差異は,OF菌とほぼ同様の傾向であったが,湧泉に対しては,菌株により異なった.
著者関連情報
© 2009 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top