日本植物病理学会報
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原著
L-メチオニンはトマト植物に対して萎凋病抵抗性を誘導する
齋藤 まどか中島 雅己有江 力阿久津 克己
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2017 年 83 巻 1 号 p. 3-9

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抄録

生体に必須な含硫アミノ酸の一種であるL-メチオニンがもたらす誘導抵抗性による,トマト萎凋病(Fusarium oxyspoum f. sp. lycopersici: FOL)に対する抑制効果を調査した.FOLの生育に影響が認められない濃度(100 μg/ml)でL-メチオニン溶液をトマト葉に噴霧処理し,2日後に1×106 bud cell/mlのFOL懸濁液に1時間浸漬することで接種を行った.接種後の植物体を新たな土壌に植え替え,接種4週間後に発病度を評価した結果,L-メチオニン処理区において萎凋症状が抑制されることが確認された.また,接種0,48時間後のトマト根におけるPR遺伝子の発現を解析した結果,FOL接種によって誘導されるPR遺伝子の発現がL-メチオニン処理によって増強されることが確認された.以上の結果から,L-メチオニンはトマトにプライミング誘導効果を付与し,FOLの感染時にPR遺伝子発現を増強することで本病に対して抑制効果を発揮する可能性が示唆された.

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© 2017 日本植物病理学会
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