2019 年 85 巻 1 号 p. 18-24
トルコギキョウの水耕栽培の安定生産を目的とし,立枯病の発生を抑え,なおかつ栽培終了時において,処理した薬剤の養液内における薬効成分が不検出となる施用方法の検討・試験を行った.その結果,ベノミル水和剤の500倍または1000倍液を200穴セルトレイ1枚当たり500 ml灌注後,翌日にトルコギキョウを定植することにより,立枯病の発生を抑制することが可能となり,なおかつ栽培終了時の養液において,薬効成分およびその分解産物が不検出となった.同様の試験を2カ年に渡り実施した結果,同様の病害防除効果が得られ,薬効成分およびその分解産物が不検出となり,ベノミル水和剤処理が養液栽培におけるトルコギキョウ立枯病の防除に有用であることが明らかとなった.