2023 年 89 巻 3 号 p. 128-135
本研究では,既報のオルソトスポウイルスを識別するマルチプレックスRT-PCR法(Uga and Tsuda, 2005; Kuwabara et al., 2010)を改良し,近年国内で新たに発生したウイルスを含め,現在国内のナス科作物で確認されている全6種[トマト黄化えそウイルス(TSWV),tomato zonate spot virus(TZSV),インパチエンスえそ斑点ウイルス(INSV),キク茎えそウイルス(CSNV),スイカ灰白色斑紋ウイルス(WSMoV)およびトウガラシ退緑ウイルス(CaCV)]を検出するためのマルチプレックスRT-PCR法を開発した.プライマーの設計,RT-PCRの条件検討の結果,最適化した条件で,これらのウイルスが感染したナス科植物からTSWV(831 bp),TZSV(734 bp),INSV(592 bp),CSNV(502 bp),WSMoV(395 bp),およびCaCV(324 bp)由来の種特異的増幅産物が確認された.さらに,本法を用いることで,供試したオルソトスポウイルスのいずれの組合せでも,ウイルスを同時に検出することができた.したがって,本手法は,ナス科作物に感染する6種オルソトスポウイルスの同時検出に有効であると考えられた.