1954 年 18 巻 3-4 号 p. 109-112
1. 本論文は珪酸施用量を異にした水稻品種龜治並に曲玉の胡麻葉枯病感受性變化を觀察した。
2. 罹病性品種曲玉は珪酸施用量と共に感受性を多少減じたが, 抵抗性品種龜治では殆んど變化がない。
3. 珪酸施用は曲玉に於ては, 貫穿抵抗, 葉の珪質化, 體内全珪酸量等の機械的性質を多少良好にするようである。併し龜治に於ては餘り變化を與えない。即ち龜治に於てはある程度の珪酸を吸收した場合には, それ以上を要求しないもののようである。
4. 兩品種共珪酸施用は葉の細胞液滲透壓, 搾汁中での病原菌分生胞子の發芽等には殆ど影響を與えない。
5. 珪酸施用は兩品種葉の Catalase の活性を大にする。而して龜治の酵素作用は曲玉のそれよりも大である。併し感受性との關係は認め難い。