日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
稲胡麻葉枯病に関する研究I
病斑上の分生胞子形成
深津 量栄柿崎 正
著者情報
ジャーナル フリー

1955 年 19 巻 3-4 号 p. 117-119

詳細
抄録

1) 病斑上に於ける稲胡麻葉枯病菌分生胞子の形成について観察したが, 先ず担子梗は主に気孔部から抽出し, 生葉では病斑の崩壊部上に多く形成せられ, 葉の老衰と共に漸次外方にも起り, 枯死葉では病斑の外囲にも広く見られる。
2) 供試材料装着後数時間にして担子梗を形成しはじめるが, その伸長は極めておそい。最初のうちは細胞内容が殆ど無色で, 伸長と共に基部より着色顆粒化する。
3) 早いものは20時間目頃から分生胞子は頂生しはじめ, 6~7時間で完成する。形成の初期は無色倒卵形であるが後特有の形をとり隔膜が出来はじめ, 内容は着色して顆粒状となつて来る。その分生胞子の直下から担子梗は分枝しその先端に第2分生胞子を頂生し, 同様にして第3, 第4と連続形成する。かくして担子梗頂の特有な屈曲が出来る。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top