日本植物病理学会報
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Bacillus funicularisの生産する抗黴性物質Funicularin及びそれが稲苗の胡麻葉枯病感受性に及ぼす影響
吉井 啓浅田 泰次木曽 皓秋田 孝雄
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1958 年 23 巻 3 号 p. 150-154

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抄録

稲胡麻葉枯病病斑上より分離したB. funicularis Kluyver et Van Nielの培養濾液は胡麻葉枯病菌分生胞子の発芽を著しく抑制する。この抗黴性物質をFunicularinと仮称したが,該物質の生産は,pH 6~7のブイヨン培地で25°~30℃下に4日間培養が最良である。Funicularinの抽出及び精製法は第1図に示したとおりであるが,Funicularinを加えたブイヨン培地で供試菌を継代培養すると,母菌株の抗黴性物質の生産力は一層増高される。なお本細菌培養濾液中に根部浸漬した稲苗は,無処理苗に比べて稲胡麻葉枯病菌に対する感受性が低下する事を認めた。

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