日本植物病理学会報
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馬鈴薯疫病菌の卵胞子形成について
堀 正侃吉田 三千子
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1959 年 24 巻 2 号 p. 87-92

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抄録
1) 馬鈴薯疫病菌は, 培地上及び馬鈴薯・トマト果肉の罹病組織に4種類の不完全型卵胞子を形成する。
2) 不完全型卵胞子の内2種類は蔵卵器内に内蔵されている。外観・大きさ共に成熟したと見られる卵胞子である。但し蔵精器を有していない。
3) 不完全型の成熟卵胞子は, 特殊の培養法により多数形成させることが出来る。
4) 栄養条件が不完全型成熟卵胞子の形成を促進すると思われる。
5) 本菌は性別から見て2種類の系統が存在する。蔵卵器を形成する系統と蔵精器を形成する系統とである。
6) 性的に相対する2系統を対峙培養することにより完全型卵胞子 (蔵精器基着) を形成させることが出来る。
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