抄録
Staphylococcus aureus, Serratia marcescens, Escherichia coli, Xanthomonas pruni, Sarcina sp. 等の細菌の紫外線に対する感受性を調べたが, その感受性は Staphylococcus が最も弱く, 上記の順序に強くなる。しかし Botrytis cinerea のような糸状菌は比較的紫外線に強く, Sarcina 菌よりも更に強い抵抗力をもつている。Serratia marcescens では, 色素を生産しない菌系はするものよりも感受性が弱い。生残曲線から見ると, 生産する色素に紫外線吸収体が多く存在するようである。紫外線照射量を決定する場合に照射強度と照射時間とを乗じてあらわしたが, この方法は必ずしも適当とは云い難い。しかして強い強度で短時間照射した方が弱い強度で長時間照射したものより, たとえ照射強度×照射時間が同一であつても効果的であつた。