日本植物病理学会報
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レンゲ菌核病菌の子のう盤の成熟におよぼす光線の影響
池上 八郎
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1959 年 24 巻 5 号 p. 273-280

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抄録

1. レンゲ菌核病菌の菌核植付後5および10日暗処理し, その後自然光線下に移すと, 子のう盤は最初から自然光線下で受光させたものと同様に成熟したが, 暗処理が15日以上長くなるにしたがつて, 子のう盤の成熟が次第に困難となり, 終始暗処理をしたものはすべて未成熟に終つた。
2. 螢光灯の連続照明および3日毎暗明交互処理によつて形成された子のう盤は成熟良好で, 15日毎暗明処理は上の2区に次いでよかつた。5日毎と10日毎の暗明および明暗処理は各区間に差異はあつたが, 成熟, 中間および未成熟子のう盤が混生していた。また15日毎明暗処理ではほとんど未成熟となつた。
3. 着色セロファン紙透過光線下の子のう盤は, 無, 黄, 青, 緑および紫色区において大差なく成熟したが, 赤色区はほとんど未成熟となつた。菌核の発芽は無および黄色区は青, 赤, 緑および紫色区より低率であり, 子のう盤長では黄および赤色区は他区に比べて長く, 無色区が最も短かかつた。
4. 連続螢光灯照明の照度100ルクスまではすべて未成熟子のう盤で, 600ルクスで4/5が成熟し, 1,000∼1,400ルクスですべて成熟した。

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