1963 年 28 巻 3 号 p. 159-164
1. いもち病菌を接種したイネ苗を強制的に萎凋させると無処理のイネにくらべて罹病度が高くなる。この場合, 萎凋させる時期によりその効果が著しくちがう。処理の時期を横軸にとり, 罹病度を縦軸にとつてグラフを作ると, 病斑長分布から得られた抵抗性の経時変化曲線と似たものが得られた。
2. 同様のことがイネ苗を温湯浸処理をしたときにも観察された。
3. 抵抗性の高まつているときほど虐待処理の効果が大きい, すなわち罹病度が高くなることを, 関数e-∫t0f(τ)dτによつて論じた。
4. 以上のことから, 虐待処理の時期-罹病度曲線は寄主組織の抵抗性の経時変化を表わしうるものと考える。