日本植物病理学会報
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抗生物質によるイネ白葉枯病防除に関する研究
第3報 Cellocidin のイネ白葉枯病菌のTCA回路, 電子伝達系およびたんぱく質代謝におよぼす作用
沖本 陽一郎見里 朝正
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1963 年 28 巻 5 号 p. 250-257

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抄録

1. cellocidin のX. oryzae に対する抗菌力はシステインおよびグルタチオンなどSH阻害回復剤により拮抗された。
2. cellocidin はその生育阻害濃度で, α-ketoglutarate, L-glutamate などを基質とし, NADを助酵素として必要とする脱水素酵素を特異的に阻害するが,コハク酸脱水素酵素およびウレアーゼなどNADを必要としない酵素には作用を示さなかつた。
3. succinate は例外として, ほかのTCA回路有機酸を基質にした場合のX. oryzae の cell-free 液の呼吸は, cellocidin の100ppmで阻害された。とくにα-ketoglutarate→succinate の系は生育阻止最小濃度以下の濃度である1ppmで強く阻害された。
4. cellocidin はX. oryzae のNADH2 oxidase 並びにNAD reductase など電子伝達系に対しては100ppmの濃度においてもほとんど阻害を示さなかつた。
5. 14C-アミノ酸のX. oryzaeのたんぱく分画への取り込みに対しては, cellocidin はその生育阻害濃度で阻害作用を示さなかつた。

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