日本植物病理学会報
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貯穀微生物のくん蒸効果に関する研究 第4報
黄変米菌 (Penicillium islandicum) 胞子にたいする臭化メチルの殺菌効果について
柳井 昭二松野 守男
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1963 年 28 巻 5 号 p. 258-261

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抄録

黄変米菌 (P. islandicum) 胞子を使い臭化メチルの殺菌効果についてしらべた。顕微鏡下で直接計測する方法および死滅率の高いところは, シャーレ上のコロニー数と推定胞子数より死滅率をだした。
温度が上昇すれば効果はかなりあがり, ガス濃度を濃くした効果もあがつている。
くん蒸時間の延長による効果はかなりよく, 15°∼30°Cまで各温度とも, 72時間以内に100%死滅するガス濃度が得られた。
くん蒸時間を対数値とし, 死滅率をプロビット値におきかえた, くん蒸時間・死滅率回帰直線は, 温度が一定のとき温度・ガス濃度に関係なくP. islandicum 固有の傾斜値を示すことがわかつた。そして湿度が変わつてもくん蒸効果はあまり違わない。

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