日本植物病理学会報
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桑樹萎縮病に関する研究
第14報 冬期伐切および夏期無伐切による発病の抑制作用について
田浜 康夫
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1964 年 29 巻 5 号 p. 229-233

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抄録

1. 熊本県菊池市において, 前年度の萎縮病重症株は冬期に伐切しまたは夏期を通じ伐切しないと, 病徴を現わさないかまたは病徴を発現しても病状が軽微であつた。この病徴を現わしていない枝条を5月10日, 7月18日, 8月8日, 8月30日, 9月14日にそれぞれ採集してさし木を行なつた結果, 出芽当時および生長後も健全葉を着生したものが多かつた。
2. 9月14日, 病徴の現われていない株および病徴を発現しても軽微な株を株元から伐切した結果, ほとんどのものが重症株となつた。
3. 冬期伐切または無伐切によつて一時的に回復または病状の軽減するのは枝条内のウイルスの陰蔽現象に由来するのではなくて, 地下部からのウイルスの移動困難によるものであり, 夏期伐切することによつてその移動が促進されるものと考えられる。

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