日本植物病理学会報
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紫紋羽病菌および白紋羽病菌の生育におよぼすフルボ酸の影響
照井 陸奥生望月 武雄花田 慧原田 幸雄
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1964 年 29 巻 5 号 p. 245-251

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抄録

紫および白紋羽病菌の生育に対する土壌フルボ酸の影響を調べるため, 各種の培地に Forsyth 法によつて分別されたフルボ酸各画分を添加し, 両菌の培養を行ない, その生育状況を調査した。結果は次のとおりである。
1. ビタミン無添加培地における紫および白紋羽病菌の生育は, フルボ酸画分AおよびB添加により著しく促進された。画分CおよびDの場合はその現象が明らかでなかつた。
2. フルボ酸画分Aは紫および白紋羽病菌の炭素源としてよく利用された。白紋羽病菌は本画分Aを窒素源としても利用した。
3. フルボ酸画分Bはほとんど紫および白紋羽病菌の炭素あるいは窒素源にはならなかつた。
4. フルボ酸画分Cは紫および白紋羽病菌により, 炭素および窒素源として利用された。
5. フルボ酸画分Dは紫紋羽病菌の栄養源となりうるとは認められず, 本菌の生育を著しく阻害した。白紋羽病菌は本画分Dを炭素源としてわずかに利用する傾向がみられ, これによつて紫紋羽病菌の場合のような著しい生育阻害を受けなかつた。
6. 未耕地の耕地化に伴なう紫紋羽病菌の漸減は一部土壌フルボ酸組成の変動に関連があるものと推察される。すなわち耕地化に伴なつて増大するフルボ酸画分Dが紫紋羽病菌の生育に阻害的に作用して, 本菌の自然消滅を助長するものと考えられる。

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