日本植物病理学会報
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あらかじめ親和性疫病菌レースの感染を受けたジャガイモ細胞に対する非親和性レースの二重感染
冨山 宏平
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1966 年 32 巻 4 号 p. 181-185

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抄録

無感染健全ジャガイモ(R1-遺伝子)細胞に非親和性レースが侵入すると短時間(約10∼20分間)のうちに宿主細胞は死にいたる。親和性レースでは感染後2∼3日間宿主細胞は死なずに共生関係が成立する。親和性レースの感染後5∼6時間で不親和性レースを同一細胞に接種すると,宿主の過敏感死は若干おくれるにすぎないが,15∼20時間後に接種すると,過敏感死は非親和性レース侵入後少くも4時間以内では起らない(4時間以上の観察は誤りを生ずる恐れがあつて行わなかつた)。
以上からR1-遺伝子による細胞の過敏感性は親和性レース侵入によつて徐々に失われ,15∼20時間後にはいちじるしく失われていると結論する。

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