日本植物病理学会報
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キュウリベと病菌分生胞子の生存力におよぼす太陽光線の影響
梶原 敏宏岩田 吉人
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1968 年 34 巻 2 号 p. 85-91

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抄録
キュウリベと病菌の分生胞子の生存力について再検討し,さらに太陽光線がその生存力にどのような影響を与えるかについて検討した。
(1) 分生胞子の生存力について7~10万個の分生胞子を用い,発芽試験および接種試験を行なつて確かめた。その結果5~7℃および17℃の暗黒下で保存すると,日数の経過とともに発芽率は減少するが,20~45日間生存する分生胞子があることがわかつた。生存力と保存温度との関係については,5~7, 17および21℃ではとくに差は認められなかつたが,24, 27および30℃では生存期間は短かくなつた。しかし,これらの温度でも5日間は生存力を有する胞子がかなりあつた。
(2) 5月および8月に快晴の日を選び分生胞子の生存力に対する太陽光線(直射日光)の影響を繰返し調べたが,何らの影響も認められなかつた。
(3)最も短かい波長が270mμで310mμにエネルギーピークを有するマツダ健康線螢光ランプを用いた試験では,30cmの距離で3時間以上照射すると発芽率が急速に低下するが,フィルターを用いて290mμ以下の短波長を除くとその影響は全くなくなる。太陽光線の地上に到達する短波長は290~300mμ前後であるから,このことからも温度の上昇を伴なわなければ,太陽光線(直射日光)が分生胞子の生存に何ら影響を与えないことがわかる。
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