日本植物病理学会報
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カルス組織における植物ウイルスの増殖,とくに光の影響
野村 章加藤 寿郎平井 篤造
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1970 年 36 巻 2 号 p. 94-97

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抄録

TMVに罹病したタバコの茎からカルスを誘導すると,そのカルスの中でウイルスの増殖が認められた。カルスを螢光灯連続照明下と暗所でそれぞれ培養すると,連続照明下で培養したカルスが,暗所で培養したカルスに比し生育が良好であった。このカルスの湿重あたりのウイルス量をインゲン初生葉で検定し,カルス湿重と湿重あたりのウイルス量を調べたが,有意な相関は認められなかった。14CO2の存在で,連続照明下で培養すると,炭酸固定が認められることから,光による罹病カルスの生育増加は,炭酸固定によるものと想像した。

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